こんにちは、御殿場支店の原口です。
前回の続きで、小説 宮本輝作品の「水のかたち」を読みました。
50歳の更年期を迎えた主婦、志乃子が主人公です。
喫茶店の経営を任されるようになった志乃子が、夫について気づいていきます。
建設業の夫について・・・現場では、さまざまなトラブルが生じるが、いちども
相手をなじったり、そのことへの愚痴を口にはしない、相手の非を口にしない。
主人公は、夫の人間としての強さを・・・感謝の言葉をちゃんと伝えなくては・・・
うんんん・・・
友人のジャズシンガーが志乃子を評価して・・・自分以上のものに見せようとは
しない。自分以下のものにも見せようとはしない。ありのままの自分の実力を
見てもらえばいい。しかし、いつかいまの自分以上の力量を身につけてみせる。
それを信条に活動をしてきた。しかし、それは至難の業だ。
人はうぬぼれ、嫉妬し、ねたみ、自分を周りからいい人だと思われようとする。
あっと気づいた。どうして志乃子にはそれがないのだろう。・・・・
水はいろんな形になりながら流れていく。それなのに、水であることをやめない。
どんな形に変化しようとも、水でありつづける。私はこの水のようになりたい。
影響を受けたジャズシンガーへ先生からの手紙・・・君に一体何が起こったんだい?
神でも降りてきたのだろうか。きみはたぶんそのことに気づいていないと思う。
きみは努力することをあきらめなかった。おめでとう。・・・
私は自分の歌をみつけたのだ。志乃子がその方法を教えてくれた。・・・
平凡なひたむきな生活、ふつうの幸福、小さな幸運の連鎖、水のかたち。