こんにちは、設計担当の井上秀幸です。
このタイトルは本当に難しいことなんですが、今施工しています住宅を紹介します。

今まで、地震の被害と建築基準法、耐震等級3の説明をしてきました。
やっぱり、熊本地震の被害状況を目の当たりにして、悩んだ末出した答えがこれです。

耐震等級をあげて、揺れに対して強い建物を作る。
繰り返しの揺れに対してねばり強い金物を選択する。

揺れを少しでも少なくする、地盤と建物を切り離すのが一番良いのですがいわゆる免震工法
です。今、御殿場市役所の新館が免震工法を採用して建築中です。
だけどめちゃくちゃコストが高いです。

そこで、弊社も制振工法を採用しました。
と言っても、7年前にお施主様から地震に備えたいとの要望で、「コラボパワー」という
オイルダンパーを装着したこともあります。
耐震補強工事では、やはりオイルダンパーで補強させていただいたこともあります。

制振装置は、仕組みによって大きく3つのタイプがあります。

1.粘性系(オイルダンパー)
オイルやガスによる抵抗で振動エネルギーを熱エネルギーに変換し振動を吸収するタイプ

2.摩擦系
接触する2つの接触面に滑り摩擦力が生じることによって振動を吸収するタイプ

3.粘弾性系
粘弾性体のせん断変形を利用して振動を吸収するタイプ

今回採用させていただいたのが、「オイルダンパー」です
実際に現場につけたのがこんな感じです。

この金物は、日本制振システム株式会社の木造住宅用制振装置「MER SYSTEM」というものです。
MERシステム
このメーカーさんの担当者さんが熊本地震を地元で体験したそうです、又装置を付けていた
お客様の家に被害が出なかったということも、採用させていただいた理由の1つになっています。

見ていただいてわかると思うのですが、自動車のサスペンションからうまれた技術だそうです。
揺れのエネルギーを吸収することで応答加速度の低減に効果を発揮します。
建物の揺れを抑えることで、損傷を最小限に抑える。

気に入った点は、小さい揺れの段階から制振の効果を発揮してくれるということでした。

もう一つ、弊社の柱テクノストラクチャーも制振工法を採用しております。
この製品は次回ご紹介しますが、株式会社タツミの「GO-TA」です。