御殿場支店 大場
 私も住宅建築に携わって40年が過ぎました。そして、改修工事を担当するたびに思うことは、築何年経過しているかにより、施工方法、材料、機器等がずいぶん変わってきているなと改めて思います。
 例えば、サッシは現在シャッターや雨戸は一体型となっていますが、昭和53年頃までは、大工さんが戸箱(雨戸が入る所)、雨戸敷居、鴨居を造りその寸法に合わせて建具屋さんが雨戸を造りました。表面に木が出ているわけですから、腐食し易いし、腐食すれば雨漏りもするし・・・。現在のような一体型サッシが昭和53年頃に発売され、1年後にはほとんどが一体型サッシを使用していました。そして、この時雨漏りをかなり減らすことができたのです。
 基礎は、昭和50年当時は布基礎で、鉄筋もほとんど入っていませんでした。しかし、昭和52年~53年にかけて「鉄筋を入れたほうがいいのでは」という気運が高まり簡単ではありましたが、鉄筋コンクリートの基礎になりました。ただ、地盤の悪い地域では既にべた基礎(現在よりも簡易ではありました)を採用することもありました。戦後から昭和30年代前半までの玉石基礎から現在のべた基礎を比較すると「なんと丈夫な基礎になったのか」と・・・。
 住宅も常に技術が進歩していることは改修工事をすると本当に分かり易く、例えば、水回りの改修工事は、機器の経年劣化、或は浴室タイルの割れ、洗面室の部分的床の腐食等々ですが、昭和60年前後に建てられた建物からは解体時に腐食を点検しても部分的に少しの腐食が発見される程度となっています。
 近年に建築された建物は、メンテナンスをしていれば、本当に長持ちさせることができると思います。